ボリュームのなくなった羽毛布団はどこまで復活できるのか?
埼玉県所沢市 菅原様2018年8月 リフォーム
- サ イ ズ ダブルからダブルへ
- 洗浄方法 プレミアムダウンウォッシュ
- 生 地 スタンダード 6×6マス
- 補充羽毛 吉林マザーグース95% 400g
- 価 格 70,200円(税別)
早速、お預かりした羽毛布団を診断
お預かりした羽毛布団
羽毛布団は10年程度使用しますと、様々な症状が出てきます。
たくさんの汗や油分を吸収して、寝返りなどで足ではさみ込まれたり、すっとばされたり・・・なんて事を考えると当然の事かもしれません。
お預かりした羽毛布団を拝見してみると、使用年数のわりに生地はそんなに汚れてはおりませんでしたが、なるほどボリュームが少し足りないようです。
品質ラベル
診断の前に品質表示のタグを確認してみると、なかなかの高スペック。
「ダウン率95%」「ポーランドマザーグース」ましてや「ハンドピック」と見ただけで、ワクワクしてしまいます。
これだけの品質でこのボリュームという事は、羽毛の「ピリング」や「ファイバー化」が進んでいることが予想されます。
ピリングした羽毛と正常な羽毛の比較
「ピリング」とは、複数個の羽毛が絡まり合い、ボリュームが出なくなる状態の事です。
羽毛布団は含んだ空気を暖めて保温力を発揮しますので、ピリングが多い羽毛布団はふくらみがなく、あまり暖かくない状態になります。
生地から羽毛を取り出し状態の確認
予想通り絡みあっている羽毛が多くあり、加えて若干油分を含んでおりました。油分を多く含みますと、よりピリングしやすくなり悪循環を生みだします。
幸いお預かりした羽毛は深刻なレベルではありませんでしたので、洗浄する事でかなりのボリューム復活が期待できます。
ファイバー化した羽毛との比較
合わせて羽毛の破損「ファイバー化」もチェック。
「ファイバー化」とは、寝返りなどで羽毛に負荷がかかり、羽毛の枝毛が切れてしまい、大きなダウンボールが壊れてしまう状態の事を指します。
ファイバー化した羽毛は、除塵や洗浄によってキレイに取り除かないといけません。状態の悪い羽毛布団は、羽毛が30%以上減量する場合もあります。
お預かりした羽毛は年数なりに進行した状態でしたが、まずまず大丈夫そうです。
羽毛を洗浄の工程に進めた結果は?
たっぷりの専用水で洗浄
さて、羽毛布団を解体し中の羽毛を取り出して、洗浄の工程へ。
油分がしっかりと取れるようプレミアムダウンウォッシュにて洗浄いたしました。
洗浄後の結果
- 取り出し量 1,70kg(ラベル通り)
- 洗浄後の残量 1,40kg(約18%の減量)
洗浄後の羽毛のふくらみも良く、羽毛の減量も約18%という結果で状態が良かったことが分かります。
マザーグース95%とダック85%のボリューム比較
とはいえ、10年近く使用した羽毛ですので、今後もご不安なくご使用頂けるよう1,7kgから100g増量し1,8kg仕上がりにすることに。
ご予算も含むお客様のご要望をお聞きし、補充する羽毛のランクを選択していきます。
今回はボリュームの復活が目的でしたので、高品質な「マザーグース95%」を選んで頂きました。
生地もとても軽量で風合いの良い、スタンダード(80サテン)を選んで頂きましたので、安心してお休み頂ける事と思います。